シドロモドロな日記 〜小説とかエッセイとか〜

たばこと新潮文庫

 青白い空気をした早朝の都心で、僕はマクドナルドの二階にいる。喫煙席ではない。窓側の、通りを見下ろすガラス窓のカウンターに座っててりやきマックバーガーセットを食べている。カウンターに白いエナメルのショルダーバッグと新潮文庫が一冊、それと使い古したSH901ic置いて、コーラを飲んでいる。

 その僕の後方5メートルほどのところに喫煙エリアがある。喫煙エリアは透明なアクリル板で区切られて十席ほどの容積がある。そこには出勤前のOLと女子高生の二人組、電気工事者の装いをした壮年の男性などがいる。彼等(彼女等)はタバコを吸っていたり、いなかったりする。

 さて、タバコ1箱270円前後。
 新潮文庫1冊500円前後、安いものは380円ほど。

 僕はタバコを吸わない、喉が弱いからだと思う。兄は吸っていたが止めた。姉は今も吸っている。喫煙者の遺伝子というものが存在するなら僕もそういう遺伝子を持っているのだと思うが、喉が弱いために吸っていない。かわりに僕は本を読む。姉は少し本を読むけれど兄はほとんど読まない。素質はあるのだと思う。

 読書の価値とタバコを吸うことの価値を比べてみようと思った。
 そういうつもりでこれを書き始めた。

 しかしもう、それは不毛な作業のように思える。
 僕は充実と虚心のために読書をしていて、ならば同じように、喫煙者も充実と虚心のためにタバコを吸っているのではないか。どちらも嗜好品でしかない。僕にとっての読書は嗜好でしかない。それは生活のスタイルでもある。姉の吸うタバコも生活のスタイルであり、嗜好なのだと思う。

 僕はがしがし本を買うし、姉はすぱすぱタバコを吸う。どちらが無駄でどちらが中毒なのかはよくわからない。ただ、静謐な表情で姉が本を読んでいる姿より、一本のか細いタバコを吸っている横顔の方がカッコよく見えてしまうことがある。そのとき、僕は「ああ、また負けた」と思ってしまうのだ。


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コメント


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263遊びに来たよん(笑)

72足跡ペタペタ〜\(o⌒∇⌒o)/
はるなのお勧めも紹介しとくね(^_-)v
http://blue55.net/fn/

10はるな | URL | 2008年03月17日(Mon)10:24 [EDIT]


 

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